ICEHAP-KMI 共同開催講演会 | 広報活動

好き!で飛び込む私の世界

 

ICEHAP-KMI 共同開催講演会 2022.02.11


 好き!で飛び込む私の世界
    〜物理の道を選んだ2人の女性研究者のキャリアパス









2022年2月11日のICEHAP-KMI 共同開催講演会「好き!で飛び込む私の世界〜物理の道を選んだ2人の女性研究者のキャリアパス」
は終了しました。たくさんの方々のご参加ありがとうございました。

当日の様子


  • International Day

講演会当日に関東で今冬2度目の大雪となりましたが、Zoomを使ってのオンライン講演だったため、大きな影響もなく開催されました。
2月11日は日本では建国記念日で祝日にあたりましたが、2015年に国連総会で制定された「科学における女性と女児の国際デー」でもあります。 本イベントでは、国際的な素粒子実験に参加している女性科学者のお2人に研究についてや科学者の道に進んだ経緯をお話いただきました。



初めの講演は、名古屋大学・KMI客員研究員/高エネルギー加速器研究機構・准教授の中浜 優さんです。
「"好き"を見つけて極める・楽しむ‐巨大装置で迫る宇宙の極小」というタイトルでトークを行いました。

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昔から「粒々がずらずら並んでいるのが好き」だったという中浜さん。物が何でできているのかにとても興味があったそうです。中学生のころは数学が好きで数学者になろうと思ったことも。その後、物理への探求心が芽生え、宇宙のはじまりってどんな感じだろう?どうやってできているんだろう。それらを解明したくて、スイスの地下に作られた大型加速器を使ったATLAS実験や日本のつくばにあるKEKB加速器を使ったBell実験などに参加しビッグバン(宇宙のはじまり)を再現して素粒子研究を続けています。

講演後の質疑応答では、「女性のノーベル賞受賞者は出ると思いますか?」との質問に、「最近は女性の科学者も増え、大きな成果を上げているので、すぐではないかもしれないですが、いつか受賞する女性科学者は出てくると思う」と力強く回答していました。



次に、千葉大学ハドロン宇宙国際研究センターの石原 安野さんの講演がありました。タイトルは「もっと遠くへ。物理と。」です。

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「物理学」とは、まったく関係がないように見える物事をつなぐ関係性(物理法則)を知るということという言葉で始まった石原さんの講演。昔から「遠くに行きたいなぁ」と強く思っていたそうです。物理学者としていろいろな国を訪れ、南極点にあるニュートリノ観測実験「アイスキューブ」に参加しています。観測施設建設時には、南極点に滞在したことも。学会などで世界中を飛び回っている石原さんは、タイトルの文字通り、物理とともに遠くへとその望みをかなえ続けています。

質疑応答での「尊敬する女性科学者は?」との質問に、迷わず「キューリー夫人」との答えが返ってきました。様々なバージョンの
キューリー夫人の伝記を読み、近くに置いていて、難しい問題にぶつかった時も「キューリー夫人だったらもっと頑張っているはず」と自分を奮い立たせたりするそう。講演中に聞いた「学問は遠くまで連れて行ってくれる」「文系だって理系だって関係ない。興味のある学問を究めたらあとからついてくることだから」や「自分が出来得ることを全てやったら、あとはもう考えすぎない」という石原さんの
モットーが、とても印象的でした。

講演終了後には、Spatial Chatという仮想空間に移動して、交流会を行いました。

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<交流会スピーカー>

名古屋大学より  ・中浜 優さん(講演者・KMI)・ 近藤 萌さん(修士1年)・藤原素子さん(博士3年)

千葉大学より   ・石原 安野さん(講演者・ICEHAP)・永井 遼さん(特任助教)・千葉 めぐみさん(学士4年生)
         ・庭野倖成さん(修士1年)・鈴木万里子さん(2021年修士卒業生)


Spatial Chatは、他の人の近くに近づくと声が聞こえる仕組みで、自然な会話が楽しめるユニークなチャットツールです。講演者のお二人のほかに千葉大学と名古屋大学の理系の学生や卒業生も合流し、参加者の方たちと楽しく談話をしました。初めはチャットの使い方に戸惑ったり、初対面の人といきなりお話は...という場面も見られましたが、だんだん打ち解けて将来の希望や、大学進学への相談などをしてくれた方もいて1時間の交流会はあっという間に過ぎてしまいました

イベント後のアンケートでも、「元気をもらえる講演でした。」「交流会では、先生に直接質問できたり学生の方とお話できて贅沢な経験でした。」「学校で物理はまだ習っていないけど、分かりやすくて面白かった。」「女性に焦点を当ててくれたので、参加しやすかった。」「今まで参加したどの講演会よりも楽しかった。」と嬉しいコメントをたくさんいただきました。
((アンケートのご協力、ありがとうございました。))

参加してくださったみなさん、講演者のお二人と協力してくれた学生・卒業生の皆さん、ありがとうございました。これからもこのようなイベントを継続していけたらと思います。



問い合わせ
 

千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター(ICEHAP)・東海国立大学機構名古屋大学素粒子宇宙起源研究所(KMI)

kmicehap-at-gmail.com までご連絡ください。(-at-を@に置き換えてください)