プラズマ宇宙研究について

プラズマ宇宙研究部門では、活動銀河中心核におけるエネルギー解放とジェット形成、ジェットと銀河団物質の相互作用、ジェット中での高エネルギー粒子の加速過程等を大規模数値シミュレーションによって再現し、高エネルギーニュートリノ及び宇宙線の発生源となる活動的な天体現象のメカニズムを解明することを主要ミッションとしています(図1)。

プラズマ宇宙研究部門の主要ミッション
図1 プラズマ宇宙研究部門の主要ミッション。(ブラックホールシャドーの図:M. Bursa, M. Machida氏提供、ジェット伝播の図:T. Ohmura氏提供、粒子加速シミュレーションの図:Y. Matsumoto氏提供)

本部門は日本のフラグシップ計算機である「富岳」成果創出加速プログラム「宇宙の構造形成と進化から惑星表層環境変動までの統一的描像の構築」におけるシミュレーションコード開発を担い、「ブラックホール降着円盤とジェット」、「高エネルギー粒子加速」に加え、「銀河団の形成・進化」、「太陽物理学」の研究を実施中です。「太陽物理学」では小スケールの磁気乱流が大規模磁場形成に及ぼす影響、「銀河団の形成・進化」ではダークマターによる構造形成等を調べています。前者は降着円盤や銀河団における大規模磁場形成、後者は銀河団プラズマの分布と磁場増幅に密接に関係しています。各課題のシミュレーション手法についても共通部分が多く、「富岳」の性能を発揮するためのノウハウが共有されています。